パーキンソン病患者における鍼治療と睡眠の質 ランダム化比較試験
| 1 | 目的 | 睡眠の質が悪いパーキンソン病(PD)患者の治療における鍼治療の効果を検討する |
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| 2 | 研究デザイン | 単施設二重盲検並行群間ランダム化比較試験(4週:介入期間、4週:観察期間) |
| 3 | セッティング | 中国の広州中医薬大学付属第一病院 |
| 4 | 参加者 | Movement Disorder Society clinical diagnostic criteria 2015 に基づいて特発性パー キンソン病と診断され、Hoehn-Yahr ステージ 1~3 と診断された30から80歳のPD患者のうち、患者の申告で中等度/重度の睡眠障害を有しているか、パーキンソン病睡眠スケール (PDSS)スコアが 0~110 である者。 |
| 5 | 介入 | 鍼(RA)群または偽鍼(SA)群に割付。両群とも1回30 分間の鍼治療が週3回、4週間の計12回実施された。使用穴は、四神総、神庭(GV24)、印堂(GV29)、合谷(LI4)、太衝(LR3)、三 陰交(SP6)、神門(HT7)、足三里(ST36)、申脈(BL62)、照海(KI6)が用いられた。 使用鍼は、滅菌済みディスポーザブル、 ステンレススチール製( 0.25 × 25mm 、0.25 × 40mm 、 Tianxie)。偽鍼は先端が鋭くない非貫通、ステンレススチール製のプラセボ針を使用した。 |
| 6 | 主要評価項目 | ベースライン、治療4週後、8週後の3つの時点で評価されたPDSSスコアの変化量 ※PDSSとは、PDにおける夜間睡眠の8つの側面(①夜間睡眠の全体的な質、②不眠症、③夜間の落ち着きのなさ、④睡眠関連精神病、⑤夜間頻尿、⑥夜間運動症状、⑦睡眠によるリ フレッシュ度合い、⑧日中の眠気)を評価する自記式質問票。スコアは睡眠の質が高いほど高スコアとなり最大150点。 |
| 7 | 主な結果 | 83人の参加者のうち、5人(6.0%)脱落。78人の平均年齢は64.1±7.9 歳で、女性は 37 人 (47.4%) であった。RA 群 40 人、SA 群 38 人が研究を完遂した。欠損データの補完には多重代入法を使用した。治療4週目の平均 PDSSスコアは、RA 群 (29.65 [95% CI、24.65-34.65]、P< .001) および SA 群 (10.47 [95% CI、5.35-15.60]、P< .001) でベースラインから有意に増加した。観察期間では RA 群 (25.35 [95% CI、20.35-30.35]、P< .001) および SA 群 (5.68 [95% CI、0.56-10.81]、P< .001) で有意に増加した。 |
| 8 | 結論 | 鍼治療により PD 患者の睡眠の質と全体的な生活の質が向上した。治療効果は最大4週間持続し、PD 患者における睡眠の質をマネジメントする上で鍼治療が有益な補助療法となる可能性がある。 |
| 9 | 安全性評価 | 両群で重篤な有害事象は認めたかった。報告された有害事象は、治療中の振戦(16件)、出血、しびれ、感染(5件)、治療中の鋭い痛み(5件)であった。 |
| 10 | エビデンス委員会 コメント |
PD患者の睡眠障害に対する鍼治療のRCTは複数あるが、鍼治療単独と Sham 鍼の比較で 有意差を示した研究は少ない。しかし本研究では計画以上の患者がリクルートされ、有意差が出やすい状況だった点は考慮すべきである。Sham 鍼は短期的なプラセボ効果の可能性がある一方、鍼治療はPD患者の主観的睡眠の質を改善し、4週程度持続する可能性がある。 |
| 11 | 作成日・担当者 | 2025.2.26 村橋昌樹 |

